ログ

●『御手洗さんと石岡君が行く』
●「ボストン幽霊絵画事件」
●『涙流れるままに』
●『御手洗潔のメロディ』
●『御手洗パロディ・サイト事件』『季刊 島田荘司01 2000Spring』『島田荘司読本』『Pの密室』『最後のディナー』
●2000年8月26日のメールから(隈能美堂巧(くまのみどたくみ)氏ならびに作品を読む順番について)
●『季刊 島田荘司02 2000Autumn』「ロシア幽霊軍艦事件」
●『聖林輪舞−セルロイドのアメリカ近代史』「ボストン幽霊絵画事件」
●『御手洗潔攻略本』『季刊 島田荘司03』
●『御手洗パロディ・サイト事件』
●『御手洗潔攻略本』
●『季刊 島田荘司03 2000Christmas』
●『石岡和己の事件簿』『ちっぱーみたらいくん』『御手洗くんの事件簿』『御手洗さんと石岡君が行く2』
●『御手洗くんの事件簿「ブローフィッシュ教殺人事件」』
●『ハリウッド・サーティフィケイト』

1997年11月21日/大学の後輩の結婚式に訪れた名古屋の明治村で、期せずして『占星術殺人事件』で石岡和己が訪れたという「宇治山田郵便局」を発見。ちょうど改装中で一部しか見学できず、お目当てのものも見つけることができなかったのは残念。次は是非、京都のあそこに行きたい...。

島田荘司ミステリーワールドへの招待


『御手洗さんと石岡君が行く』

1998年4月27日。島田荘司総指揮のコミック・アンソロジー+書き下ろし短編『御手洗さんと石岡君が行く』(原書房)を読了。 以前新宿に小川範子の舞台を見に行ったときに、東口の紀伊国屋で買っていたのをようやく読み終わった。 全編、御手洗シリーズのファンを謳う漫画家陣(やはり女性が多い)の共演で彩られてる。 まず冒頭に御手洗や松崎レオナの近況を伝える特別書き下ろし小説の「さらば遠い輝き」が、 彼らの共通の友人であるジャーナリストの視点から紹介されている。小編とは言え、 最近御手洗ものをなかなか紹介してもらえないファンにとってはたまらない一品である。 (延ばし延ばしで本当に最後に読んだ。早速「島田荘司ミステリワールドへの招待」の年表に追加した。) そのあとには、氏が最近愛蔵保存版を上梓したときのものだろうか、直筆の「異邦の騎士」の原稿(最後の部分)のコピーが挿入される。 続いて、この本のメインをなすコミック群が続く。執筆陣に女性が多いせいか、一見するとただの少女マンガかな、と思わせるが、どうしてどうして、 熱烈な御手洗あるいは石岡のファンだけあって、読んでいくとなかなか読み応えがある。 (ごくごく一部であるが、作品のネタばらしをしている部分もあるので、まだ未読な作品がある方は注意されたい。) 最後に石岡による「後書きという名のお礼状」までついている。 流れ的には「島田荘司読本」の第二弾といった雰囲気だが、いっそのことこのモーブメントをバイマンスリーくらいの間隔で定着化してほしいところ。 紀伊国屋での購入時、この本のすぐ横に氏が著わした「三浦事件」や「秋好事件」関連の新たな書を見ると、 氏はしばらく向こうの世界(氏は本格の鬼才であるとともに、鋭い社会派でもある)に行ってしまっているのかな、という感慨を受けたが、 御手洗の近況を紹介したこともあり、そろそろ久しぶりに新たな活躍を紹介してくれることを期待したい。 (以前本屋でチラっと吉敷ものが連載されているのを見かけたので、こちらの方が先かもしれないが。)


「ボストン幽霊絵画事件」

1998年9月14日。夜から天王洲アイルで小川範子の二人芝居があり、ちょっと早めに家を出て小田急線に乗り込む。 時間的にかなり余裕があり、かなり疲れも溜まっていたので、途中追い越す急行は見送り、 ゆっくり座っていける普通に乗って新宿を目指すが、いつしか大爆睡しており、発車のベルに起こされ、 ふと気づくと、車内はがらんとした状態。朦朧とした意識を一挙にフル回転して状況を分析すると、折り返し運転で今まさに新宿を発車しようとしているのだ。 慌てて飛び降りた瞬間ドアが閉るという際どさ。かなり遠くに見えたが、運転手の冷たい視線を感じる。 さて新宿駅に降りたはいいが、どうもこの駅は苦手でいつも目的の場所にすぐに行けない。 今回も決して例外ではなく、JRの東口に行きたいので、JRの連絡口を抜けたらいいと思い、 自動改札を抜けようとするが、この切符では通れないというアナウンスではじかれる。仕方ないので、別の出口から出たはいいが、 延々東口まで大回りしてしまった。こういうときに駅のネビゲーションシステム付きの携帯でもあったらいいな、と思うのは私だけか。

東口では例のごとく紀伊国屋に入り、2階のフロアへ。ここは前回『御手洗さんと石岡君が行く』を発見したところであり、ミステリコーナーの在庫も豊富で気に入っているスペースだ。 と、早速すぐに収穫があった。(ちょっと名前は忘れてしまったが)『御手洗さんと石岡君が行く』アンソロジーの第二弾で島田ファンの女流漫画家のコミックを中心に、石岡氏と『龍臥亭事件』で知り合った里美がデート?する小編も紹介されている様子。 そしてさらに大きな収穫があった。何気なく目にした雑誌「メフィスト」の中に、なんと御手洗潔ものの短編を発見したのだ! 題名は「ボストン幽霊絵画事件」。彼が活躍する事件簿というのは本当に何年ぶりのことであろう。 以前本当に一時期だがEQ誌に御手洗の誕生日には御手洗シリーズをということで、短編がいくつか紹介された時期があったが、どうも光文社のEQ誌に初出して、講談社で単行本化するというシステムは長くは続かなかったようで、 御手洗シリーズの本来の出版元である講談社のメフィスト誌に発表することに落ち着いたらしい。(とはいえ、最近では『龍臥亭事件』がどちらかというと御手洗シリーズであるにもかかわらず光文社から発表されたが。 その辺りは恐らくギブ&テイクなのだろう。)雑誌の雰囲気としても新本格のメンバを中心に新しい感覚のミステリの発表を目指しているメフィスト誌の方がふさわしい気はする。 さて、発見してすぐ思ったのが買ってしまおうということだったが、他に興味がわいた作品がなかったし、そのうち短編集も出るはずなので止め、疲れてはいたが、ちょうどよい時間つぶしにもなると思い、立ち読みすることにした。 そして、途中腕が固まってしびれるは、立っているのがつらくなって何度かぶらぶら立つ場所を変えるはしたが、どうにか読破した。

まずファンとして注目なのが本当に久しぶりに御手洗が活躍する作品であること。「アトポス」以来?短編では私が記憶するにEQ誌に掲載された「IgE」以来だと思うが、もしかしたらしばらく本屋通いをお留守にしていたので、抜けがあるかもしれない。 次に注目なのが御手洗の大学時代の活躍であること。しかも舞台はボストン。さらにさらに注目なのは、御手洗の生い立ちが一部紹介されており、彼は小学校までは日本にいたが、小学校の高学年からサンフランシスコに渡り、飛び級でボストンの大学に入学したというのだ。 そして今回はその大学時代の彼の活躍(事件簿)である。ここでちょっと疑問がわくのは、彼は京都大学出身ではなかったかということ。念のため、あとで『御手洗潔の挨拶』所収の「ギリシャの犬」を読み返してみると、やはり京都大学であることは間違いない。 ということはボストンの大学後、日本に帰ってきて京都大学にも在籍したということになる。実は「ギリシャの犬」にはシャーロック・ホームズシリーズによくあるアントールド・ミステリ(語られていない事件簿)があり(彼が在籍中に二人も校舎の屋上から飛び降りている)、 御手洗の大学時代のこの事件簿もいずれ紹介されるだろうと、ファンの間では期待が持たれていたが、一足先にボストンの大学時代の事件簿が紹介されたということになる。

少し話は逸れるが、なぜいずれ紹介されると確信を持てるかというと、これまで島田作品にはアントールド・ミステリが何度か作品に挿入されているが、それらはいずれもその後確実に紹介されてきているからである。 例えて言えば「ギリシャの犬」。この作品の舞台はモナコから始まっているが、ちょうど彼らは「例の水晶のピラミッド事件」のお礼で招待されたことになっている。 しかしEQ誌1987年9月号に初出当時、『水晶のピラミッド』事件はまだ発表されていなかった。また別の例を挙げれば、『御手洗潔のダンス』所収の「山高帽のイカロス」。この作品はEQ誌1989年1月号発表当時「鳥人間事件」という題名だったが、そこで紹介されている「横浜、暗闇坂の事件」は、 その後一年以上経ってから『暗闇坂の人喰いの木』として紹介されている。ただしこの事件に関して言えば、講談社ノベルズの『占星術殺人事件』のあとがきでも、解説者(な、な、な、なんと後の綾辻行人氏!)の口からすでに予告されてはいて、熱烈なファンを何年も待たせたいわくつきの作品でもあったが。 ただそれが作品の中で始めて言及されたことにより、当時からのファンとしてはついに発表が近くなったか、と大きな喜びに包まれたものだ。

話は「ボストン幽霊−』に戻るが、この中で石岡氏は、 決して発表する事件簿がないわけではない(逆にたくさんある)のだが、事件に関わった人たちへの影響を配慮し、今後は日本ではなく、主に海外での彼の活躍を紹介する機会が増えていくだろう、と語っている。 すでに『切り裂きジャック・百年の孤独』ではドイツで、『暗闇坂の人喰いの木』ではスコットランドで、『水晶のピラミッド』ではアメリカやエジプトで、そして『アトポス』では死海で活躍している実績からしても、今後ますます全世界を舞台に彼の活躍が紹介されるというのは、ファンとしてはたまらい楽しみになる。 一方そうすると日本での事件は石岡氏が四苦八苦しながら解決するということになるのだろうが、立ち読みしている間に二人連れの若い女の子達が『龍臥亭事件』の愛蔵版の分厚さを評し、「『アトポス』とどっちが厚いか比べるためじゃない?」とか「石岡君だとどうしてあんなに事件が長くなってしまうのだろう」という言葉は印象的。 さらに別の女の子が先ほどのアンソロジー第二弾を見つけ、「へぇー、そんなんだ」と独り言を言ったあと、私と同じように立ち読みを始め、途中クスクス、クスクスと笑いながら熱中して読んでいるのを見ると、どうやら御手洗(あるいは石岡)のファンというのは本当に女性にも多いらしい。実はこれまでたびたび作品の中で石岡氏の口から、 御手洗には女性ファンが多いということを紹介されてきていたが、どこか半信半疑の気持ちであった。しかし、本当にそうなんだ、とこのとき初めて実感した。

さて「ボストン幽霊絵画事件」の方はキーになるトリックについてはすぐにわかったが、何より久しぶりの御手洗の言動に触れ、また今後こういった形での発表が続く予感を感じることができ、大収穫の出会いであった。


『涙流れるままに』

1999年6月25日。ファン待望の島田荘司の新刊『涙流れるままに』が上下巻で発売になりました! 雑誌に連載されていたのがちょっと前なので、そろそろかな、と思っていましたが、さすがに出張途中、品川駅の本屋で発見したときには嬉しかったです。 これまで少しずつ語られてきた通子の悲運な過去が、昭和史の暗い歴史とともにクローズアップされるようです。 氏自ら一つの到達点であると語る力作。氏独特の社会派と本格の高い位置での融合がまた見られるのでしょうか? そして何より吉敷と通子の運命やいかに!ファンには堪らない作品になりそうです。 もしまだ島田ミステリにかぶれてなくて、これからどっぷりはまってみたい、という方がいましたら、 少なくとも『北の夕鶴2/3の殺人』『羽衣伝説の記憶』『飛鳥のガラスの靴』『龍臥亭事件』は先に読まれた方がよいです。 いや訂正します。できるなら御手洗潔シリーズと吉敷竹史シリーズの全ての作品をまず読まれたあとの方が、きっと、よりこの作品を楽しめることでしょう。(かなり作品数はありますが..。) これまでのそれぞれのシリーズの流れについては、是非島田荘司ミステリワールドへの招待(作品が発表されるたびに随時更新しています)を参照してみてください。

ちょっと前の『消える上海レディ』改訂版か何かのあとがきで、氏曰く「今はそういう(これまでの自分の作品を振り返り、必要だと思った修正は改訂版を起こしてでも修正していく)時期なんだろう」という言葉があった。 なぜか同じような気持ちで、このサイトもこの半年は立ち止まり、振り返る作業を続けてきた(一部は今も進行中ですが..)。恐らくそういう時期というものがあるのだろう。 ようやく一歩前進した島田荘司。いや、ある意味でこの作品こそが、”振り返る”作業の最終章なのだろう。恐らく次の御手洗の作品こそが新たな一歩になる。 この作品の登場は、ファン待望の吉敷竹史シリーズであるとともに、次は御手洗ものだという(待つ時間の半分は過ぎたという指針の意味でも)もう一つの意味でのファン待望の作品なのである!

同10月3日。古本屋で島田荘司『涙流れるままに』(上・下)と稲見一良『セントメリーのリボン』を購入。著者の方には申し訳ないが、最近は(そこに行けば必ず売ってるであろう)本屋で新刊を買おうという気があまりなく、 古本屋を回っては欲しい本との出会いを楽しみ待つという方向にすっかり趣向が傾いている。今回はたまたま近くの生協まで足を伸ばしたついでに寄ってみたところ、前者はノベルズのコーナーに鎮座ましまして私を待っていていてくれるではないか! しかもよく見ても新品同様。通常2冊合わせて2,000円のところ、その半額だからお得感は高い。後者はお気に入りの作家(で既に故人)の作品。作品数がそんなに多くないだけに、古本屋で単行本を見つけては購入して集めている。 これまでに『ダック・コール』『ガン・ロッカーのある書斎』『花見川のハック』『ダブル・オーバック』を集めているから、これで5冊目ということになる。

同11月8日。『涙流れるままに』読了。ファンにとっては堪らない大きな節目の作品。これまでの全ての作品が、そして吉敷竹史の一挙手一投足が、この作品のためにあったのか!と錯覚を覚えさせるほど、 まさに吉敷刑事の事件簿の集大成である。時の移ろいの中で、故郷は決して昔のように優しく迎えてくれるとは限らない。 ある者はその地を去り、ある者はこの世を去る。そして厳しい自然よりも厳しい現実が彼を待ちうける。 北の地で繰り広げられた過去の様々な営みは、やがて現代の大きな人間絵巻きへと結実する。


『御手洗潔のメロディ』

1999年8月15日。実家から戻る途中、BOOK・OFFで『御手洗潔のメロディ』を発見!まったく予備知識がなかったものだからその驚きと言ったらない。発行日を見るとなんと1年近く経っている! 収用されている4作品は「IgE」「SIVAD SELIM」「ボストン幽霊絵画事件」「さらば遠き輝き」で、こちらの方はそれぞれ「EQ1991年5月号」(購入済み)、『島田荘司読本』(購入済み)、「小説現代1998年10月増刊号メフィスト」(新宿紀伊国屋で立ち読み済み)、『御手洗さんと石岡君が行く』(購入済み)でどうにかカバーはできていたので、 さらなる喜びというところまではいかなかったが、それにしても1年間もまったくその存在すら知らなかったとは...。いかに自分がここしばらくミステリの世界から離れていたががよくわかる。


『御手洗パロディ・サイト事件』『季刊 島田荘司01 2000Spring』『島田荘司読本』『Pの密室』『最後のディナー』

2000年2月24日。出張先でお昼を食べに出たついでに駅ビルの本屋に寄ってみた。そこで御手洗と石岡の近況を伝える2冊の本を発見。一冊目は、『最後のディナー』。『龍臥亭事件』で知り合った里美と石岡のその後のエピソードを編んだ短編集らしい。そしてもう一冊は、雑誌「KADOKAWAミステリ」。ハリウッドで起こっている猟奇的な事件に、またまたレオナが巻き込まれているらしい。レオナが苦境に立たされているとしたら、その先で登場を待ち受けている人物は一人しかいない。まだまだ連載も途中のようだから、すぐに「久々の御手洗ミステリ!」とは喜べないが、少しずつ春が近づいていることは間違いない。

同3月11日。本屋で島田荘司『Pの密室』(講談社)を発見。「鈴蘭事件」と「Pの密室」所収。御手洗の少年時代の事件簿が読めるらしい。すぐ横には御手洗潔シリーズ番外編の『最後のディナー』(原書房)。それぞれ二編と三編の短編を所収。できれば五編で一つの短編集にしてくれれば、文句なく即買いするんだけどなぁ。。

同8月14日。なんと約5ヶ月ぶりの更新です!充電期間と言えば聞こえはいいですが、すっかり怠けていたと言うのがほんとのところ。たまーにあるんですが、どうしてもこういうブランク期間というのが私には必要なようです。。という訳で、久々に”書く”意欲が沸いているので、”書き”ます。何はともあれ近況報告から。。

最近は(本当に久々に!)すっかり島田荘司ワールドにはまってます。気がつくと私の周りには御手洗潔と石岡和己が活躍する事件がいっぱい。ざーっと紹介すると。。

『御手洗パロディ・サイト事件』(上・下)(南雲堂・各880円)
発売直後(春)に偶然品川の本屋で発見して購入。上巻読了。現在下巻読破中!
『季刊 島田荘司 2000 Spring』(原書房・1,200円)
祝!ファン待望の季刊誌創刊!同じく発売直後に品川の本屋で発見して購入。これまでの作品に関連したエッセイやフォトの他、氏の幅広い活動を覗かせる日記や活動報告、評論から新小説まで、本当に氏の魅力がいっぱい。現在、御手洗ものの「山手の幽霊」読破中!
『島田荘司読本』(講談社文庫・571円)
原書房発行の単行本時から、冒頭の小説が「SIVAD SELIM」から「天使の名前」(なんと大戦直前の御手洗の父親の活躍を紹介!)に変更されている。また、全著作ガイドが最新版(フィクション篇は『季刊 島田荘司』まで、ノンフィクション篇は『聖林輪舞』までを紹介)に更新されているのが嬉しい。「島田ワールドの住人たち」も、各キャラの現状を反映して更新されているので、両者を比べてみるのもまた楽しみかも。「天使の名前」読了。
『Pの密室』(講談社・1,600円)
実家の市民図書館で見つけ、弟に頼んで借りる。「鈴蘭事件」読了。キヨシの父親が日米開戦数ヶ月前の昭和十六年に「総力戦研究所」に参加していたことが紹介されており、しっかり「天使の名前」の予告篇となっているのも興味深い。たまたまこれを読んだ直後に2時間ドラマで同じトリックが使われていたのは天の悪戯か。現在「Pの密室」読破中!
『最後のディナー』(原書房・1,500円)
同じく図書館で借りる。「里美上京」「大根奇聞」読了。「大根奇聞」には麻耶雄嵩の作品に通じる"神"の存在を感じる。現在「最後のディナー」読破中!

一時期(かなり長い期間だが)御手洗ものの紹介が枯渇していた時期を思うと、気がつけばこんなに作品群に埋もれている幸せ、喜び。どうやら氏は、ようやくこちらの世界に戻ってきてくれたようだ、と思うのは私だけだろうか。これだけの作品群を読破しているうちに、また新たな作品と出会えることを楽しみにしつつ、とりあえずは読破した作品を島田荘司ミステリワールドへの招待に埋めることを楽しみにしよう!


2000年8月26日のメールから(隈能美堂巧(くまのみどたくみ)氏ならびに作品を読む順番について)

後輩A氏>ちょっと話はそれちゃうかもしれませんが、私の好きな作家である島田荘司氏もマイルス・デイビスの熱烈なファンのようです。。 『御手洗潔のメロディ』(講談社)にも「SIVAD SELIM」という短編が収められています。。 「御手洗潔の挨拶」にもジャズネタの話がありましたね。チック・コリアとか、ウェス・モントゴメリーとか、コルトレーンなどの名前がありました。根がミーハーなのでこれらのCDはいくつか買って持ってます。ところでこの話(疾走する死者だったかな?)には「くまのみどたくみ」という人物がでてきますが、これは島田荘司の作品に以前登場したんですか?御手洗ものにはでてませんよね。気になります。早速今日中に捜して明日実家に帰る際に読もうと思います。

K Ito氏>ものには順序というものがあって、いきなり『御手洗潔のメロディ』を読むのは絶対禁止です。まず最初に「占星術殺人事件」を読んで、次に「異邦の騎士」を読む(これにもジャズネタが多数)。あとはまあ、何を読んでもかまいません。とおもう。wadyさんの意見はどうでしょうか。

wady>どうもです。なんか島田荘司の話題になりましたね。とっても嬉しいです。。何せ大ファンですので。。最近自分のページにも島田荘司ネタをたっぷりアップしましたので、是非ご覧下さいませ。。

http://www.cityfujisawa.ne.jp/~wady/です。。

自作「島田荘司ミステリワールドへの招待」を見ていただければ、いかに私が氏のファンかがわかっていただけると思います。。最近では、『最後のディナー』という短編集がとっても気に入ってます。あと季刊化が開始された「島田荘司2000」ですね。まだまだ氏の幅広い可能性(2000年型島田荘司)を感じさせてくれます。

さてさて”くまのみどたくみ”ですが、『嘘でもいいから殺人事件』(ユーモアと本格の融合が試みられています)という長編と『嘘でもいいから誘拐事件』という短編集に登場しています。かなり初期の頃の作品で、たぶん集英社だったような気がします。。それ以降は「疾走する死者」以外(私が知っている限りでは)彼が出てくる作品はありません。

次に”読む順番”についてですが。。。
うーん、どうかしら??必ずしも氏の作品というのは発表順と年代順が合ってるわけではないから、どの作品から入っても構わないような気がしますが。。あまりに記念碑的な『占星術−』『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』を前面に押し出してハードルを高くしなくてもいいように思います。。例えば、極端な話、『御手洗潔のメロディ』の「SIVAD SELIM」からまず御手洗潔(みたらいきよし)という人物に関心を持ってもらってもいいし、『最後のディナー』から、「里美上京」→里美→「龍臥亭事件」→(この先の発展形はネタばらし?になる可能性があるのでやめておきます。)「里美上京」→石岡→「異邦の騎士」と遡るのもいいし、「大根異聞」や「最後のディナー」から御手洗はなぜ日本を去ったのか?から御手洗シリーズにはまっていくのも悪くないと思います。。要は、島田荘司ミステリワールドというのは、ほんとに奥が深く(これはまったく誇張ではありません)、いろんな角度からいろんな楽しみ方ができるということです。。

ちょうどよい機会なので、お願いがあります。実は「島田荘司ミステリワールドへの招待」の年表に「ボストン幽霊絵画事件」を載せられないでいるのですが、それは、御手洗が飛び級でボストンの大学に入っているときの事件で、年がまだ特定できていないからです。ヒントはもちろん作品の中にあります。1960年台で、かつ9月14日が火曜日の年です。どなたかこの年が何年なのか、教えていただけませんか?

よろしくお願いします。

P.S. 氏の最新の作品としては、『島田荘司読本』の「レオナから読者への手紙」の中で言及されていた、ある女優(モデルだったかな?)の猟奇事件が、雑誌「カドカワミステリ」に連載されいてると認識していますが、それ以外に何か氏の作品の情報持っている方いましたら教えてください。

よろしくお願いします!!


『季刊 島田荘司02 2000Autumn』「ロシア幽霊軍艦事件」

2000年10月16日。さてさて次に書きたいことは。。。『季刊 島田荘司 Vol.02 2000Autumn』です!!まだまだ第2号は先だろうな、と勝手に思いこんでいたら、9月末に本屋で見つけて、何故か最初は妙な違和感を感じる。「なぜだろう?」としばらく考えたが、Autumnという言葉に「えっ?もう秋なの?」という自分の季節感に対する迷走(極端な話、秋という季節の存在を忘れかけていた)が原因だった。しかしその違和感が解けたあとにやってきたのはもちろん歓喜であることは言うまでもない。なんと「御手洗シリーズ長編460枚一挙掲載!」「ロシア幽霊軍艦事件」、さらには創刊号で予告されていた時代小説「金獅子」の連絡開始!という帯。もーっ、ファンとしては、溜まりませんねぇ。。ちなみに今は、「山手の幽霊」も「Pの密室」も「最後のディナー」も読了して、島田荘司ミステリワールドへの招待にアップ済みです。そして当面の目標としては、「ボストン幽霊絵画事件」の発生年特定&アップ、『御手洗パロディ・サイト事件』の読了、そして何といっても「ロシア幽霊軍艦事件」ですね。

同10月30日。「ロシア幽霊軍艦事件」読了。早速島田荘司ミステリワールドへの招待にアップ。(よく見ると『涙流れるままに』が抜けていたので、合わせてアップした。)いつか、いつか、氏はこのテーマにも”ある解”を示すだろうな、とは思っていた。切り裂きジャックも、タイタニックにも、ピラミッドも、氏には決して過去の謎、テーマではない。時空を超えて、幻想的な謎に氏独特の解決を示す、あるいは、それらを一舞台装置として、大道具的に使う。そこが氏の魅力であり、何より本格派を標榜し、強く”本格”を牽引する御手洗潔シリーズの魅力なのだ。ケネディ暗殺事件だって、ロズウェルのUFO墜落事件だって、きっと島田荘司という稀代の名探偵にとっては、既に次なる謎解きのターゲットになっているに違いない。今回のテーマで言えば、私にとっては、二階堂黎人氏のある短編→映画『名探偵コナン 世紀末の魔術師』というアプローチを歩んできているが、さらにこの作品を読了する前後で、SkyPerfecTVでオン・エア中のnakata.netTVの中で、中田がセント・ピータースバーグを訪れ、”ラスプーチン”に例えられながら、”ボルシチ”や”ピロシキ”を食べるという、なんとも運命を感じさせる出会いとなった。


『聖林輪舞−セルロイドのアメリカ近代史』「ボストン幽霊絵画事件」

2000年11月14日。出張帰りに品川駅構内のいつもの本屋で、『聖林輪舞−セルロイドのアメリカ近代史』(徳間文庫)を購入。前から気になっていた本だがようやく巡り合えた。今やL.A.に本拠地を置き、遂に2000年型島田荘司を始動させたアクティブな活動の一辺と氏独特の洞察力が伺える楽しみな一品である。

同11月15日。遂に1960年台で、かつ9月14日が火曜日の年を発見!たまたま教えてもらった「LYCOS占い/ドリンク占い」をやってみたら、嬉しい事に生年月日を入力すると、その日の曜日まで表示される。これをうまく利用して、1960〜1969年の9月14日を指定して「占い」をしたところ、

1960 1965
1961 1966
1962 1967
1963 1968
1864 1969

となり、ずばり1965年であることが特定できた!(これは使える!)という訳で、島田荘司ミステリワールドへの招待へ「ボストン幽霊絵画事件」を登録しました!飛び級で大学に入り、ボストンの街中に下宿していた当時の、御手洗潔16歳のときの事件簿です。。


『御手洗潔攻略本』『季刊島田荘司03』

2000年11月20日。冷え冷えとした真冬の雨が降る中、鼻水が止まらず、既に体も熱で火照りを覚え、うどんでも食べて体を暖めようと途中下車した品川駅。立ち食いそば屋でいか天うどんに明太お握りを頬張り、薬局でカコナールを買って飲むが、一向に鼻水は止まらず。それでも、何かに導かれるようにいつもの本屋を覗いてみると、なんとすぐに氏の新刊を発見!!!題名はずばり『御手洗潔攻略本』(原書房/定価1,700円)。御手洗学(ミタライロジー)誕生!の帯びに、”御手洗ワールド”に触れるパロディ、コラムが目白押しの目次と、またまたファンにとってはたまらいプレゼントとなっている(一足早いクリスマス・プレゼントか?)それにしても最近の原書房からの刊行ラッシュには目を見張るものがある。よっぽど氏と編集者との連携がうまくいっているのか、あるいは十分な充電期間を経て、それだけ氏がアクティブな状態になっているのか、はたまた、巻末のビック・ボーナス「御手洗潔、その時代の幻」(なんと島田荘司自身が10年ぶりにロスで御手洗潔に会うというシチュエーション!真っ先に読了し、ミステリワールドにも登録)の中で御手洗が言及しているように、氏自身も研究と時間との競争に”追われている”のか、いずれにしても2000年型島田荘司からは益々目が離せそうにない。と、ここまで書いて、改めて本をパラパラ見ていたら、な、な、な、なんと、

SPECIAL ISSUE 号外!!

新刊案内

季刊島田荘司03

クリスマス特別号
12月15日発売!!

今回の御手洗シリーズは、
あの名作「数字錠」を思わせる美しい作品です。

予価1300円(本体)

○ご予約は、お近くの書店へ!
○オンラインでもご注文いただけます。

原書房公式サイトhttp://www.harashobo.co.jp

という案内のチラシを発見!!やはりこの勢いは留まることを知らず、既に本当のクリスマス・プレゼントが用意されてた!!なんと言う喜び、なんと言う贅沢。まさに今は、新しい世紀の幕開けを待つというだけでなく、御手洗ファンが至福の時代へと突入した幕開けの時期である!!

同11月21日。原書房公式サイトを初めて見させていただく。季刊 島田荘司 on lineに入り、「週間島田荘司」と「季刊島田荘司こぼれ話」を楽しむ。さらにリンク集に入ると...。なんと氏の公式サイトの情報が!早速ブックマークに登録させていただく。さてさて、やはり興味が沸くのは事件年表で、「奇想の源流」の事件年表を見させていただくが、あれあれあれ?かなりの事件で発生年などが異なる部分がある。それなりに自分で作成している年表には自信を持っているので、この相違には正直かなりのショックを覚える(念のため、確認のメールを書かせていただいた)。と、さらによくよく見ていると、あれれ?実は自分の年表の方で、1980年が丸々抜けていることに気づく!(アチャー!大失態)。改めて確認してみると、1980年というのは、「嘘でもいいから殺人事件」や「疾走する死者」、さらには「発狂する重役」が発生(あるいは”語られた”)年ではないか!という訳で、早速修正修正...。


『御手洗パロディ・サイト事件』

2000年12月1日。『御手洗パロディ・サイト事件』(上・下)読了。石岡&里美コンビの活躍に拍手!上・下合わせて22編のパスティーシュが紹介されているが、中には現実の御手洗ものと区別がつかないような出来のものもあり、特に「シリウスの雫」は秀逸。例え”遊び”の世界のお話であっても、石岡がそれに感想を重ねることで、俄然”リアルな”世界に急接近し、御手洗ワールドにさらなる広がりも持たせてくれる、気の利いた趣向になっているのには感心。また石岡和己の復活!?を予感させる転機の作品となるか、今後が楽しみ!最初予備知識がまったくなかったものだから、これらの作品は氏自身が書いているのからしら?それともやっぱりパスティーシュとしてそれぞれ存在するのかしら?と半信半疑だったが、ちょうどタイミングよく、氏の公式WEBサイトにアクセスしたことにより、想像を遥かに超えて、WEBZIN化、作品のパロディ化が進んでいることを発見し、今後もサイバーな世界での”もう一つのお話たち”の益々の増殖が期待させる興味深い作品となった。(島田荘司ミリテリワールドへの招待に登録)

そしてそしてなんと言っても現時点での最大の関心事は、発売が半月後に迫った『季刊島田荘司03クリスマス・イシュー』!季刊 島田荘司 on lineを見ると「遂に完成した!」との情報を発見!(原書房、T橋虫麻呂編集者様、本当に本当にお疲れ様でした!)そして期待の御手洗潔クリスマス・ストーリーの作品名も紹介されている。中篇「セント・ニコラスのダイヤモンドの靴」。イマジネーションを駆り立てられるとっても素敵な題名ですね..。うーん、発売日が待ち遠し〜い!!


『御手洗潔攻略本』

2000年12月3日。さてさてパロディ・サイト事件も一段落し、目下まるでその延長戦のように『御手洗潔攻略本』を読破する日々に突入した。既に、

  • 「御手洗シリーズ 舞台紀行」橘高伶
  • 「「占星術殺人事件」占星術」鏡リュウジ
  • 「天の魔弓 〜御手洗潔と石岡和己の日常より〜」野々霧鮎樹

は読了していたが、この週末で新たに、

  • 科学雑誌「Nature」に掲載された御手洗潔の論考
    Jeffery Oscar, Monica Melander and Kiyoshi Mitarai "Working Memory Dysfunction in Monkeys Caused by Neural Cell Suicide"

    「神経細胞の自殺によって引き起こされたサルのワーキングメモリー障害」響堂新・翻訳
  • 「青の広間の御手洗」柄刀一
  • 「数学者からの報酬」杉本@むにゅ10号

を読了。特に「青の−」(すぐ後の「論考」の配置も見事!)と「数学者−」には深い感銘を受け、いつパスティーシュの域から昇華して公式事件簿として認定されてもおかしくないような”本物の世界”との親和性を感じる。(実際に島田荘司ミステリワールドに登録したいくらい。パラレル(パロディ)ワールドとしてでも登録してしまおうかしら?)

さてここまで来ると、柄刀一という人物が非常に気になってくる。パロディ・サイト事件の中でも「シリウスの雫」が紹介されていたし、その中で石岡和己も「いや、これがまいったよ、この人プロなんじゃないの?作家の柄刀さんでしょ?これ」と評している。しかしあまり聞いた事がないし、本屋で見かけたこともない。??な気分で、原書房の「新刊・近刊案内」を見てみると...、あったあった!国内ミステリ注目の最新刊!

国内ミステリ注目の最新刊!

独房で墜落死した男、
食べ物を前に餓死した男、
海を隔てた岬と館で起こった
連続怪事件を、
「わたしが解いちゃうんでしょうか?」

マスグレイブ館の島

柄刀一
四六判上製・1800円

シリーズ探偵も初登場!!
注目度Y1の気鋭による
奇想とロマンの本格ミステリ!

柄刀ミステリ好評既刊


有栖川有栖・二階堂黎人両氏推薦、衝撃のデビュー作

3000年の密室

四六判上製・1600円


法月綸太郎氏推薦、超絶トリックの連打

サタンの僧院

四六判上製・1800円

さらに『このミス』2000年版の方もざっと眺めてみたところ、”蘊蓄(うんちく)ミステリー”の一つとして『サタンの僧院』が紹介されているし(”バカミス2000年問題作ベスト10”なんて言うのにも選ばれている)、芦辺拓編のオリジナル・アンソロジー『贋作館事件』の中にも氏は名を連ねている。(単に私が疎かっただけのようだ。)ある作家を知る上で、こういうアプローチの仕方もなかなか興味深い。うーん、気になる気になる気になる。今後要チェックの作家である!

ちょっと余談になるが、「御手洗潔、その時代の幻」の冒頭で紹介されていた横浜の翠香苑というお店が気になっていたが、たまたま今日『御手洗さんと石岡君が行く』を見返していたら「後書きという名のお礼状」の中で、石岡和己が漫画家さん達とこの店で会っていたのを再確認。(いい機会だから「後書き−」をミステリーワールドに登録した。)他にもこのお店が出ている作品があるかもしれない。こういうのをチェックするのもまた楽しみですね。


『季刊 島田荘司03 2000Christmas』

2000年12月4日。奇想の源流にアクセスさせていただいて、キャーびっくり!なんて素敵なMerry Christmasなんでしょう!うーん、徐々にムードが盛り上がり、クリスマス特別号、益々楽しみですねぇー!

同12月19日。本屋で『季刊 島田荘司03』購入。華やかなクリスマス・デコレーションの数々にまず感動!まさに珠玉のクリスマス・プレゼントですね。

同12月21日。さて、既に『季刊 島田荘司 Vol.3』は購入済みだったが、そこはそれ、いつもの常で、通り掛かりにいつもの品川駅の本屋に立ち寄ったところ、あれれ、あれれ?見当たらな〜い。発売直後にも関わらず、売ってな〜い。新刊コーナーを見てもないし、文芸書コーナーにもな〜い。Vol.1とVol.2はあるのに、Vol.3はな〜い。もしかしてこれって売れきれかしら??

同12月29日。「セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴」読了。「数字錠」「SIVAD SELIM」「Pの密室」に続き、また一つ心温まる素敵なクリスマス・ストーリーが紹介された。早速ミリテリワールドに登録。1982年と言えば、春に「山高帽のイカロス」(「鳥人間事件」改題)事件が起きており、夏には「糸ノコとジグザグ」店で、御手洗が演説をしているところが紹介されている。(うーん、懐かしい時代...。)

このシリーズの魅力として、事件そのものへの興味もさる事ながら、やはり御手洗の言動や、他の事件を彷彿させるヒントが気になる。今回で言うと、竹越刑事が御手洗に対し「先々月ですかね、会ったのは」と言っている会話が気になる。もし鳥人間事件のことを言っているのであれば、それは半年前ということになり、時期が合わない。これもアントールド・ストーリーの一つに数えてよいのかしら?(笑)

また、この当時は、”私たちの最初の書物「占星術殺人事件」が世に出た直後で”あり、これは鳥人間事件を見ても、”あの本が出て間がなかった”となっており、「占星術殺人事件」が1981年(実際の解決から2年後)に発表されたことが改めて確認できる(「島田荘司読本」の作品紹介でも「占星術−」は1981年発表となっている)。それにしても今持っているのは講談社ノベルズ版の昭和60年11月5日発行の第四版だが、本当の意味での初版「占星術のマジック」を是非手に入れてみたいものだ。


『石岡和己の事件簿』『ちっぱーみたらいくん』『御手洗くんの事件簿』『御手洗さんと石岡君が行く2』

2001年1月15日。『石岡和己の事件簿』(「里美上京」所収)、『ちっぱーみたらいくん』(「最後のディナー」所収)、『御手洗くんの事件簿』(「ブローフィッシュ教殺人事件」所収)、『御手洗さんと石岡君が行く2』を購入。全て氏の熱烈なファンである漫画家諸氏によるコミック中心で、「里美上京」「最後のディナー」は既に読了済みでだったが、ちょうどBOOKOFFの新年フェアーで4冊1,000円であり、購入しない手はない。しかも「ブローフィッシュ教−」は島田荘司原作と銘打たれている御手洗潔公認事件簿であり、前から射程距離に入れていた作品(ファンとしては、埋もれていた作品を見つけたような喜び)。 さてさて”御手洗くん”の活躍はいかに?

最近の密かな楽しみとして、古本屋に行くと『占星術のマジック』がないか捜しているが、 今回は単行本版『占星術殺人事件』を見つけた。残念ながら第二版ということでニアピンだったが(初版だったら購入したかも)、 パラパラと頁をめくってふと気がついたが、単行本版には例の”あれ”はないんですね。


『御手洗くんの事件簿「ブローフィッシュ教殺人事件」』

2001年1月27日。未明からの雪が窓の外をすっかり白く染めた土曜日の朝、二日ぶりに温かい湯船に身を浸しながら、 『御手洗くんの冒険@ ブローフィッシュ教殺人事件』を一挙に読了。 コミック版”御手洗くん”の大冒険にすっかり魅了され、気分はすっかり陽光まぶしい1959年のサンフランシスコ。 うーん、早く次の冒険が読みたい。。(コッポラとの次なる対決やいかに?早く紹介されないかしら。。) 巻末の島田荘司氏の次の言葉も今後の”御手洗くん”の活躍を多いに期待させる。

彼の過去はぼくの頭の中には存在していたが、文章化する予定まではなかった。それならいっそ、 横浜に戻ってきて石岡氏に出遭うまでの波乱の成長期は、漫画という成熟した表現形態に託してもよいのではないか、 というより子供時代の御手洗君の様子を伝えるには、絵こそが適役ではあるまいかと思うようになった。

さてさて作品自体を満喫したら、次の興味はマニアックな部分に移る。 まず、この事件がいつ起こったのか、だ。まず気になるのは冒頭の”199X年 横浜”のシーン。御手洗はちゃんと石岡と一緒にいる。 1990年代で御手洗がまだ横浜にいた年というとそんなに時間の幅はないはずだ。 島田荘司ミステリーワールドを見ると、1995年春の『龍臥亭事件』のときにはもう石岡一人であり、 逆に1993年夏の『ロシア幽霊軍艦事件 』のときにはまだいたから、可能性としては1990年〜1994年ということになる。 では一体御手洗はいつ横浜を出たんだっけ?と『龍臥亭−』の冒頭を再確認すると、 ”御手洗がいずこへとも知れず姿を消してから、もう一年以上の年月が経つ”とあり、 さらにレオナから「石岡氏への手紙」には、ずばり1994年正月に御手洗がヘルシンキに発ったことが紹介されている。 ということは、〜1993年まで絞れることになる。(まさかこのときのトミー・ジョンソンからの手紙がきっかけで、 日本を発ったなんてことはないでしょうね?もしそうなら一挙に1993年秋〜冬ということで決まりだが..。) さて、次は実際のブローフィッシュ教事件がいつ起きたかだが、まず発生年ははっきりしている。1959年だ。 では何月だろう?ヒントはいくつかある。

  • まず登場人物の服装を見ると明らかに半袖が多い。
  • 新聞を読むシーンがあるが、残念ながら新聞の日付までは確認することはできない。
  • アルカトラズからの脱獄事件をリック刑事が聞いた際に「あそこの海流は速いからな。 夏といっても夜の海はかなり冷たい」と発言している。(映画「アルカトラズからの脱出」を思い出しますね。)
  • 空の絵もどことなしか入道雲(夏の空)に見える。

これだけ状況証拠が揃えば1959年の夏であることはまず間違いない(絵だとこういう楽しみもあるんですね)。 早速島田荘司ミステリーワールドに登録した。 丁度よい機会なので、ついでに

  • 御手洗がヘルシンキへ発った時期(1994年正月)
  • 御手洗の誕生日(昭和23年11月27日午前8時28分 横浜生まれ)
  • 石岡の誕生日(昭和25年10月9日)

も登録した。

さてもう一つ気になったのが巻末の《参考文献》。

●「世界の名探偵50人」
●「名探偵に挑戦・第四集」ともに藤原宰太郎著、KKベストセラーズ刊

となっているが、一方最近読んだばかりの「セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴」でも、

●参考文献「名探偵に挑戦」シリーズ……藤原宰太郎著・KKベストセラーズ

となっている。と言う事は、まだまだこのシリーズを参考にした作品が出てくる可能性があるのかしら。 かつて綾辻行人氏がトリックは”見せ方”にあると言っていたのを思い出すが、 例えば、極端な話、江戸川乱歩氏の「探偵小説ツリック分類表」(原本ではツリックになっている)をストレートに参考文献にされたとしても一向に構わない。 例え最近の量産体制(ファンとしては大歓迎!)がそういう背景に支えられているとしても、 御手洗シリーズの魅力は既にそんなレベルを遥かに超越しているし、そのブランドには何の揺るぎもないだろう。 逆に「名探偵に挑戦」シリーズを読んで、どの部分が参考にされたのかをチェックしてみるのもまた楽しいかもしれない。


『ハリウッド・サーティフィケイト』

2004年10月21日。ようやく『ハリウッド・サーティフィケイト』読了。新刊初版で購入したのが 2001年夏だから、丸々3年間も本棚で眠らせていたことになる。しかも雑誌「KADOKAWAミステリ」への連載期間が1999年11月〜2001年4月の約2年半だから、なんと連載期間よりも長い。これでは大ファンとはとても言えないが、熟成させていただけのことはあった!レオナの活躍、彼のサポート、そしてなんと言っても最後の最後に大感激!(えっ、ほんと!?やっぱり、そうか、これだけじゃ、とても。。、そうだよなぁ。。と大納得!)お待ちしていますよ、大御所さんの登場を。。

さてさて早速(初出からカウントすると約5年遅れか)ミステリーワールドに掲載することに。。と、ここである疑問が。この事件の終盤は複数の記述から11月に差し掛かっている※1が、一方、『島田荘司読本』所収のレオナからの三通の手紙B「読者への手紙―’96秋のLAから」では、あたかも”パトリシア・クローガー事件”はこの手紙が書かれた10月12日時点では既に終わっているような印象を受ける※2

※1 ”十一月のLAは、夜になれば冷える。”との記述あり。
※2後述。

”パトリシア・クローガー事件”の存在が初めて語られたのが、単行本『島田荘司読本』出版時の1997年で、『ハリウッド−』の連載が始まったのがその約2年半後の1999年だから、単にそのタイムラグによって時間軸が交錯しただけ、とも言えるが、ファンとしては、もう少し追究したいところ。もしかしてその辺りの時間軸の修正が、文庫本『島田荘司読本』ではなされているのかもしれないと思って確認したが、10月12日の日付には変更がなかった(そんな訳ないか。。)。とすると、あとは手紙が書かれた時点で、実はまだ事件が終わっていなかった(進行中であった)可能性はないか、と改めて手紙を追ってみると、

”どうしても許しがたかったから、私も独自に調査をしました。”
”といっても電話であちこちの女優や関係者に訊き、ちょっと尋ねて廻ったくらいのものなのですが”
”それでもLAPD重要犯罪課の、キャシィ・ジェイミという女性の刑事とやり合う格好になってしまいました。”

ここまでで終わっていればまったく問題ない。進行中に書かれたものと言える。しかし手紙の終盤では、

”正直に言って、自分には探偵には向いていないと今回つくづく思いました。”
”この事件のこと、巻き込まれ、無鉄砲にもやってしまった冒険のことも、いつかは書けるようになるかもしれません。”
”でも私自身ひどい屈辱を味わわされて、立ち直れませんでした。”

とあり、やっぱり事件後のショックを引きずっているように見える。しかしもしこの”冒険”あるいは”屈辱”を”ジャック”によるものだと仮定してみると、ぎりぎり進行形に当てはめられなくもない。(”ひどい屈辱”、”立ち直れない”がかなり微妙ですが。。)

という訳で、この辺りの追究で満足して、とりあえず、両者の”主張”通り、ミステリーワールドには記載。何はともあれ、アントールドの後にアントールドあり、ビックボーナスありがとうございます!